£桜を眺めて見る夢は£

3/6
前へ
/169ページ
次へ
    その鈴の音と共に 桜の花びらを辺りに散らした 美麗な女が立っていた。     瞳は何処か悲しげで また冷たさを纏っているよう。     身なりは漆黒に白い 百合が描かれている和装だ。     髪は長く風に靡いていた。     そんな彼女の姿を見れば 先程、雄叫びをあげていた 数名は顔色を変え後ずさる。     「ま、まさか本当に…本当にお前が存在するなんて…!」     その言葉に、彼女は顔色一つ 変える事無く   ━━‥…チリン…   と、鈴の音を響かせて近寄るだけ     …‥そんな彼女の名を 【桐生 紫呉】- キリュウ シグレ -   と言った。
/169ページ

最初のコメントを投稿しよう!

400人が本棚に入れています
本棚に追加