プロジェクトM ~挑戦者達~

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プロジェクトM ~挑戦者達~

日は明けて、12月5日(水) 修司が通っている高校は、生徒総数26人と非常に小規模だ。詳しくは、1年生・9人、2年生・13人、3年生・4人である。因みに、この学校に名前はない。《辺境の地》と呼ぶには十分過ぎる環境下にある歪村には高校など一つしかないし、村の外と交流する機会もないので、《高校》という呼び名だけで事足りるのだ。 昼休み――3年生の教室では、クラスに4つしかない机を向かい合わせ、4人しかいない生徒が深刻そうな面持ちで話し合っている。 「さて……皆に集まってもらったのは……俺の弟を真人間にするプロジェクトについてだ」 修司は昨日思い立った〔健司真人間プロジェクト〕――〔プロジェクトM(真人間)〕を始動するべく、友人達に相談していた。 「Oh~修司クン、ソレハ、トテモ良イ事ダト思イマス」 真っ先に反応してきた彼は《工藤ターメリック》、三年前に《インド》という国から引っ越してきた、歳は修司達より一つ上の19歳。そんな彼が何故ここにいるかというと……昨年度、文系の成績が異常に悪くて留年してしまったのだ。 「でも、具体的にはどうするの。不良ってどうすれば治るのかな?」 そう言ったのは《瀬川雅樹》、勿論彼もこのクラスの一員だ。 「それは……今話し合おうと……」 「まさか、何も考えてないの?」 雅樹は若干呆れ気味だ。 「大丈夫デス。カレーヲ食ベサセレバ、ドンナ不良モイチコロデス」 工藤は自慢のメガネをキラリと輝かせている。 ・・・・・・ 「ところで……諒は何かないか?」
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