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ここはとある村、名を[歪村]という。
歪村は小さな村だが、西には火サスの撮影に使われそうな断崖絶壁、東には明らかにヤバ気な植物が生息している森があり、いつ死人が出てもおかしくない場所にあった。
そんな歪村には内田道場という剣術道場があった。
バシッ!!
「うぁ!」
「だらしないね~、修司ぃ」
倒れた青年に手を差し伸べながら深緑の瞳の青年は微笑んでいた。
「何で勝てないのかなぁ...」
修司と呼ばれた青年は差し伸べられた手を取ることもなく眠そうな眼差しでブツブツと敗因について考えていた。
「修司、雅樹、そろそろ休憩せんか?」
「あ、師範! ほら修司行くよ」
深緑の瞳の青年は『瀬川 雅樹』
この道場の門下生では一番の腕前を持ち、面倒見も良い好青年である。
そして相変わらずブツブツ言っていたのは『萩 修司』
口下手で人見知りが激しいため、精神を鍛えるという目的で道場に通っている
雅樹とは幼なじみ。
「休憩はいいから、もう一回...」
すると内田師範は宥めるように修司の頭を撫でる
「何を言っておる、もう7時間は続けておるじゃろ」
「むぅ...」
修司は仕方ないという表情を浮かべながら休憩を挟むことにした。
「ていうか、頭触んなよ...」
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