第1章       アレは火曜日のことだった

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    その日の夜、萩家の食卓にはケーキが並んでいた。 「ん? 母さん、今日特売でもしてたの? それとも閉店セール?」 「何言ってるの、今日はあなたの誕生日でしょ」 修司はケーキからカレンダーに目を移す、12月4日(火) 「あぁ~、もう18か」 因みに修司の家族は母、父、妹、弟の5人家族 父は出稼ぎで基本的に家に居ないし、弟の健司は10歳という若さで夜遊びを覚え、帰りは遅いため、家には母と妹の優衣との3人で居ることが多い。   「お前って無駄に歳取ってる感じするよね~、人見知り激しいのは全然よくならないしさぁ」 「身長をミリ単位で気にする奴に言われてもなぁ...」 修司は鼻で笑ってみせると、ガタッと椅子が倒れそうな勢いで優衣は立ち上がり 「中学入ったら急激に伸びるもんなんだよ!!」 そう言い放つと同時に、修司の後頭部目がけて拳が飛んでいった。 ゴッ!っと鈍い音を立てるが全く効いた様子はない。   「こらこら、いつまでケンカしてるの」 母は2人の中に割って入り、2人の顔にフォークを突き付けた 「早く食べなさい……」 フォークを握る手に微かだが力が込もる マズイ、殺られる と2人は悟って、おとなしくフォークを手にした。
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