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教室に着き、出席番号が前後である優斗と竜也が席に着き談笑していると、優斗の前の席に小柄な女の子が座った。
その子は誰か話し相手を求め、キョロキョロとしている。
なんとなくその様子を眺めていた優斗と目が合った女の子は、満面の笑みを浮かべて優斗に話しかけた。
「私、東堂瑠華(とうどうるか)。よろしくね!」
…可愛い
「あのー…?」
「あ、俺は西山優斗。よろしく」
「西山君ね!そっちは…?」
「俺は葉山竜也!よろしくっ!」
「よろしくね!二人とも同じ中学だったの?」
「おう!俺らは幼なじみだから、中学だけじゃなくてガキの頃から同じなんだ。
東堂さんは?同じクラスに友達居ないの?」
「瑠華で良いよー。
絵梨香(えりか)って子が居るんだけど、まだ来てないみたいで…あ!来た来た!絵梨香ー!」
瑠華の視線の先を見ると、調度自分の机に荷物を置いた綺麗な女の子がこちらを向き、すごい勢いで近付いて来た。
な、なんだ…?
優斗と竜也は同時に驚いた表情を見せたけれど、絵梨香と呼ばれた女の子は真っ直ぐに瑠華に詰め寄る。
「瑠華!昨日自分で9時に校門って言ってたのに、何で先に教室に居るのよ!」
「…あれ?9時に教室じゃなかったっけ?」
「今日クラス発表でまだ同じクラスになれるかなんてわかんなかったのに、そんな約束する訳ないでしょ?」
「あ…」
しまったという表情を浮かべた瑠華に、絵梨香は呆れたように小さく息を吐いた。
「まったくもぅ。ホント瑠華は抜けてるんだから」
「ごめんー」
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