恋、様々 5

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「松田さん…オレ…百合と  付き合ってる」    「うん…」    松田さんは知っていたかのように頷いた    「司は、知らないんだ」    「そうだと思ってた…」    「ゴメン」    「私は、いいの。でも司君、  百合ちゃんのこと本気みたい…」    「うん…あいつにもちゃんと  言う…」    少しの沈黙の後、  松田さんは言った      「もし、百合ちゃんと出会う前に私と出会っていたら、結果は  違っていたかなぁ…?」    オレは何も言えずに松田さんを見た    百合に出会わなければ  松田さんのあの言葉でオレは  落ちていたに違いない    でもそれは言えなかった      「ありがとう…じゃあね」    松田さんはそう言って  店を去って行った          「お客様、ご注文はお決まりですか?」      オレはコーヒーを一つ頼んだ
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