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だが……有希が帰国した日に有希に言ったように、ここをゴールにするべきじゃない。
目標は高くだ。
龍遠寺家の足手まといにならないように日々精進を怠らないようにしないとな。
……いかにも恋に盲目になってるときに出てきそうな言葉だが、今はそのテンションに身を任せる方向で落ち着こうと思う。
そうして、俺はエベレストよりも高いとかほざいた扉に手をかけ、それをそっと開けた。
「ほら悠太!早く来い!脱げば良いのか!?脱げば良いのか!?」
「お前……今日はテンション高いな……」
「悠太がいつも通りすぎるのだ!
お前は今日念願の生徒会長になれたのだぞ!?
それに、悠太から二人きりになりたいと言ってくれたのだぞ!?
まぁ……今日は少し何かあったようだから仕方ないのかもしれないな……」
あぁ……どんどんハードルが上がっていってる気がする……。
そもそも、十年近く待たせてたんだ。それ相応の気の利いたことを言うべきなんだろうが……現在まで瑞穂を感動させられるような言葉は思い浮かんでこない。
なおかつ、樟葉と千佳のことについても説明しなきゃいけないし……、美鈴のことだってもう一度ちゃんと説明しなきゃいけない。
二秒で終わるわけないじゃんか……。
ハードルたっけーなぁ……。
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