29人が本棚に入れています
本棚に追加
「今日柳瀬さんから聞いたんだけどよ…」
一部始終を話した。
すると顎に手を当てた広太が口を開いた。
「まさかな。もう揺さぶりをかけてきたってのか?早すぎるだろ。その心理的攻撃だとしてもその下では何らかの直接的な攻撃の準備をしてることは間違いないだろ。そうするとおちおちしてられないな。」
しかし俺は異論を唱える。
「でも、焦って動き出してドツボってこともあるんじゃない?」
「そうかもしれないが、お前も言っただろ?これは先手が有利だって。受動的に動いていちゃ反応が鈍る。逆に常に能動的にアグレッシブに動いていればとっさの動きの際にも多少なりとも余裕が生まれるだろ。戦いってものは常に最悪の状況を想定動かなければいけないものだと有名な三国志の武将、徐晃も同じ考えを持っていたんだ。」
さすが広太だ。柳瀬さんには悪いけどコイツのほうが頭が回りそうだ。
そんな中サルはボケッとしている。馬鹿はほっといてっと。あれ、お前もなっていう声が聞こえた気がするけどこれは気のせいだろう。
「じゃあ、どうするの?カマちゃんに直訴してみる?」
「いや、我々軍人は殿の命に従うだけだ。」
おいおい。徐晃の霊でも乗り移っちまったのか?「とまあ冗談はさておき、最終的な決定は鎌田がするんだ。こんなところでゴタゴタ言っても始まらない。第一鎌田のほうが俺達より数枚上手だろうしな。」
俺達って言うあたりに広太の優しさを感じる。いい奴だ。
「まぁ、その通りだな。ところで日ハムの中田って結局どうなのよ?」
「あぁ、あれはだな。まずこの前のホームランだが…」
それからはやっと話に戻ってこれるようになったサルも交えて野球の話で盛り上がった。
最初のコメントを投稿しよう!