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次の朝、自分のクラスに入った俺たち幼なじみメンはその異様な雰囲気と熱気に追い出されそうになった。
どうしたのだと隅で漫画を読んでいるテルに聞いてみたら
「9組が1組に勝負の申し込みをしたらしい。」
俺たちは目を丸くするしかなかった。当然1組は拒否権がなく、勝負を受け入れたそうだ。
「勝負の日程は三日後。教科は英語。形式は実技で大将のタイマン。点数は中間考査を採用。」
とテルが付け加えてくれた。
勝負には色々な形式がある。
まず、教科の決定。いかに自分たちの有利な教科に持ち込めるかが大事だ。
次にデスクワークか実技か。デスクワークはその名の通り、決定した教科のテストの点数が反映された机上での戦闘方式。実技は自分たちが実際に戦う戦闘方式(テストの点数が反映される)。
次にタイマン(1対1戦闘)か集団戦闘かだ。タイマンの場合、大将同士かその他かを決められる。
最後にどのテストの点を取るかだ。定期考査の点か、事前に受けるテストの点かだ。
以上のことが議論で決定しなかった場合、教師による厳正かつ公平な抽選により決定する。
と以上が勝負の手続きに関する大体の取り決めだ。
「タイマンかぁ…」
思わず呟いてしまう。タイマンに出る人には壮絶なプレッシャーがかかるだろう。これは精神力戦でもあるのだ。
クラスのみんなは騒いで楽しんでるみたいだ。
「こんなに動いてくるとは…諸葛亮もビックリだ。」
「1組のやつは、はわわって感じだな~。」
2人とも驚きを隠せないようだが、何故か楽しそう。かと思えば横で今来てテルから事情を聞いたらしいマサが
「タイマン?まかせろ。腕がなるぜ!」
とかやる気満々だし。
筋肉はというと朝練で疲れて眠りこけている。まったくマイペースなお方だ。
ふと視線をカマちゃんのほうへやると難しそうな顔で何をやっているかと思えばクロスワードパズルだったし。大丈夫なの?このクラス…。
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