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「で、なんの用ですか?」
もう怖かったので話を本筋に戻すことに。
「あ、そうそう。実はね、特定はできないけどもう動き出しているクラスがあるって噂が立ってるのよ。」
他クラスもまだ様子見の段階だろうと思っていた俺の憶測は見事に外れてくれた。
「昨日の今日で…なぁ。」
「でもクラス特定できてないし、他クラスからの心理的攻撃っていう可能性もありから信憑性は高くはないけどね。」
なるほど。勉強に関しては俺のちょい上を行くようなお嬢さんだが、こういうことに関しては頭の回りが早い。世渡りがうまい部類に入りそうな人だな。
「そうか。まぁカマちゃんのことだし、これくらいのことですぐ動き出すってこともないだろう。」
彼女は体育会系ではあるが、冷静さが欠けているわけではない。そうでなければあれだけの人望は得られないだろう。
「まぁ、参考程度に。どちらにしても他クラスは戦る気満々ってことだからね。」
ミステリアスなお方だからな。情報網も広いんだろう。
「あぁ、サンキュー。」
それにしてもやはり戦う方向で動いてくるか。テストでいい点取って褒美を貰おうなんて考えてるクラスなんてまず皆無だろう。なんせ勝負して勝てばそれだけで利益があるのだから。第一、申し込まれた勝負については最後に勝負した後の10日間以外拒否権が与えられない。つまり先手が常に有利になるのだ。それらのことから勝負をすることを選択するのは必然的だと言えるだろう。
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