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目が覚めた時、瞳に飛び込んで来た色は白だった。
眩しい位の白である。
此処が何処なのか解らず、細目で辺りを見渡した。
視線を下げると扉の上部が見えた。どうやら僕は横になっているらしい。
そのまま視線を横にへとずらす。
点滴が見えた。
赤い点滴、血の色だ。
管は僕の腕に繋がっている。
息苦しい。口には酸性マスクがついていた。
蒸れる。
靴音が聞こえて来た。
視線を向けると、ナース帽を被った女性が僕に歩み寄ってきた。
あぁ、ここは病院かと、身体を起こそうかと思ったが、身体が動かない。
申し訳ないが、視線でナースに挨拶をした。
ナースが口を開く。
何か言っているが、音が小さく聞き取れない。
僕が訝しげな顔をしていると、もう一度言葉を言ってくれた。
「やっと目を覚ましたのね、○○さん……」
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