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頭が痛い。
後頭部を押さえるとこぶが出来ていた。
医者によると、僕の記憶が無いのは頭を打ったせいらしい。一時的なものだろうという。
僕はゆっくりと起き上がり、松葉杖をついて部屋から出た。
病室に居ても、どうせやる事も無いしリハビリも兼ねて歩く事にした。
長い病院の廊下を歩く。
松葉杖だとやはり歩きにくい。何度もこけそうになった。
売店に行く。別に買うものもないが、暇潰しに雑誌でも買っておこうと思った。
財布を取り出し、勘定していると急に背を叩かれた。
「憂滋、憂滋じゃん!なにやってんだ、んな格好して。」
驚きの声を上げる相手を見遣ると、大学の同級生だった。
「なにって…怪我したから、病院にいるんですけど…」
僕は素っ気なく返事を返した。別に仲がいい訳でも無い相手だったので、適当に返事を返し、勘定を済ました雑誌を脇に抱えた。
不思議そうな顔をしている同級生。
僕が怪我をしたのがそんなに不思議なのかと、訝しげな顔をしていると、同級生はにやりと笑い僕の肩に腕を回してきた。
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