―序章―

2/6
前へ
/33ページ
次へ
――午前二時過ぎ… ふと、目が覚める…。 まるで何かに狙われてるかの様に、記憶にある限り、ここ数日…決まって目が覚めるこの時間。 そして、今日もまた… 『…またか…。』 僕は、ボソッと呟いた。 すると、その直後… ―――――ピキッ…!――――― か、体が動かないっ!? …っ!? 金縛りか? 一瞬、驚いたものの、 やけに僕は冷静だった。 毎晩、目が覚めるこの時間… ましてや丑三つ時… 何が起きてもおかしくはない…。 そう頭の中で処理していた。 試しに体を動かそうと試みるが、やはり動く筈もなく、指先にまで力が入らない事がわかった。 もちろん声も出す事も叶わず… 唯一、自由が利いたのは【眼】だけだった。 しかし、周りは暗闇、何も見える筈もなく、眼球運動の行動範囲にも限界があった為、 僕はおとなしく再び目を閉じた。 ――気にせずにこのまま目を閉じていれば、次に目覚めるのは朝だろう…。――
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加