最悪のポジショニング。

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『お前さあ、高校では何すんだ?』 父に質問され、碧はキョトンとする。 高校入学から数日が経っていた。 『お前サッカー以外に取り柄無いだろ。』 父にサッカーを辞める事を告げて以来、何度も言われた台詞だ。 碧はいささか食傷気味であった。 『なめんな。』 取り敢えず会話を終わらせる。先の見通しなぞ立ててはいない。 『何だって出来る。』 父も老婆心ながら心配なのだ。 わかっているからこそ碧はニヤリと笑って見せた。 父はふうとため息をつき、 『すげえ心配だ。』 と、息子に対する率直な気持ちを吐く。
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