最悪のポジショニング。

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外は快晴だった。 雲一つ無い晴天。 心の晴れない碧にとってはうざったいだけだが。 世界は前向きにある様だった。 いつもの登校路を歩きながら、情景のいたる所へ視線を散らす。 世界はモノクロに近く、何も心を捕らえない。 満開の桜でさえも。 『つまんねえな。』 独り言。どうも最近意識が内に向く。 サッカーを辞めてからいつもこうだ。 (何とかしないとな。) 焦躁感がある。 そんな状態にいらつきを感じていた。 しばらくして、目的地が見えて来る。 御勝東高等学校。 生徒数400名余り。 部活も偏差値も何もかも普通の学校。 碧にとっては、虚ろな日々から抜け出す為の唯一の糸口である。
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