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中学に進学し,父の死を少しずつ理解できるようになったあたしは,父のことを嘘つき,と思わないようにしようとしていった
しかし,文化祭や父母会といった時だけはどうしても,嘘つき,と思わずにはいられなかった
中学生活はとても楽しいものだった
友達にも恵まれ,とても楽しい3年間を過ごすことができた
しかし,友達と楽しく話している間も,あたしにはいつも何か黒い影がついてまわっていた
友達はみんな,あたしを気遣ってか,たまに『父親なんていない方がいいよ』とか『ウザいだけだからッ』とか言ってくれていた
あたしは本当に良い友達に恵まれた
しかし,その優しさを受け取る度,あたしは一生父親のウザさを知ることができない,と黒い影が思わせるのであった
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