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「由美、時間は平気?」
「あっ!そろそろお店に戻らないと。」
俺は二人分のコーヒー代を支払い、由美と店を出た。
「私が誘ったのに、おごってもらってごめんね。」
「別にいいよ。このぐらいは気にすんな。」
「うん。じゃあ、私行くね。今日はありがと。」
「由美!!!」
店に向かって歩き出した、由美を呼び止める。
「えっ?」
「もう今はあの頃の俺達に戻る事は出来ないけれど、お前はお前の道を夢を真っ直ぐに叶えて欲しい。
俺もお前に負けないぐらい頑張るから!
別れた時は最悪な気持ちだったけど、今日、髪を切ってもらって手紙の内容が本当だって分かったから!
ずっと応援してる!」
俺は思っている事を吐き出した。
「あの時はごめんね。隼人。
私、頑張るから!頑張ってすごい美容師になるから!」
涙を浮かべながら話す由美に
「由美!!その涙は自分がすごい美容師になった時にまでにとっとけ!」
「うん」
二人は背を向け、それぞれの道に向かい歩き出した。
もうあの頃には戻る事は出来ないけどお互いを認めた今は、それだけで充分だった。
去年の今頃は泣いていた俺だけど、今は清々しい。
今年の桜は良い笑顔で見れそうだな。
そう思いながら、また原宿の街を歩いた。
この一歩一歩が次はどこにたどり着くのか分からずに・・・・・
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