クロエ戦記

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「けっヨェーヨェー! もっとマシな戦い方が出来る奴はいねーのか!? はーはっはっはっは!!」  戦技の街、『クラウンタウン』。  そこで連戦連勝を当たり前のように成し遂げているキャラクターが一人、高笑いを上げていた。  彼の名は「クロエ」。  戦闘時のみ姿を変えれるゲームの拡張機能【チェンジング】を使用しているPCだ。  青年のような体格なのだが、それを身に纏う色は全て白。  頭に付けたバンダナや、なぜか裾の部分だけがボロボロの裾丈が膝よりも長いマント。  髪や瞳までも、肌以外の全ての色彩が純白の殺意に染まっていた。 「まぁーたく。そんな戦い方してたら、またタウンで絡まれるよー?」  微妙に間延びさせた喋り方をするのは、クロエと同じ初心者支援ギルドに所属する、ほぼどす黒いマフラーがトレードマークの「汚鬼苗」。  黒の肩無しジャケットに黒のズボン、それに黒のブーツと上から下まで黒色の格好と、手に着けた指抜きのされた革手袋は、どこかの西部劇の人間を彷彿させる姿。  紫の瞳やセミロングの黒髪などが中性的なカッコよさを際立たせるのだが、天然なのか、その顔がニヒルに笑ったことは今までない。  銃を持っていればまだ格好はつくのだが、生憎と『剣客者(ルーラー)』なためやや刀身の長い、かなり後ろに反った太刀(反東剣)を装備しているのでビジュアル的にはアンバランスなことこの上なかった。
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