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「よっし、生意気だ。こいつらもタコ決定!」
陰すら作ることのない純白の大鎌を擡げると、クロエはさっきの戦闘前に言ったセリフをまたもや口にした。
「汚鬼苗、蒼牙。さっきと同じで手は出すなよ、これは俺の玩具だから!」
開戦の電子音。
それを聞いて動いたのは、言葉通りクロエだけ。
しかし、敵側の男達が動かなかったのは、わざとだった。
「“千夜一夜を駆けるは祖の氏により看過される獣よ! ゼルゼン”!」
「“御身懐郷を駆けるは祖の氏により看過される獣よ! バンズル”!」
「“天未地峡を駆けるは祖の氏により看過される獣よ! ライラン”!」
敵が口にした魔法は喚起魔法。
クロエが突進をしていく前方から、横に三つ並んで召還された。
三体とも全て犬のような獣だったが、それぞれに毛並みの色が違い、左から黒、青、白。
「はん! 下級のペットかよっ! 話にならねー、よっ“旋撃”!」
と、それを歯牙にもかけなかったのはもちろんクロエ。
戦闘スキルによって吹き飛ばされた犬達は、着地する前に消え失せた。
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