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程なくして、クロエ達がそこそこ有名になってきたころ。
「はっはーん、んで、クロエって奴が所属してんのは、ここか?」
「あぁー、じゃないんですか?」
二体のPCが、初心者支援ギルド『エスユー』の入り口に佇んでいた。
どちらも獣種を選んだらしいライオンのようなフサフサの毛並みに、獰猛で凶悪な顔を持っている。
のだが、一匹は金色に輝き、もう一匹は銀色に輝いていた。
「「さて、殴り込みだ」」
そんなことを呟くと、二匹はお互いに大剣を取り出し、それを叩き合って三拍子の金属音を奏でる。
「「“ダブルダブル・ケセル”!」」
二匹の詠唱に、ギルドホームの入り口は自壊するかのように倒壊。
初心者の街『マークタウン』で行われたその凶行は、すぐに『エスユー』のメンバーが知ることとなった。
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「……犯人は、わかってんのか?」
「そこら辺にいた人達に聞いたよー。金色と銀色のライオンみたいな裸PCだって」
いつもテンション高めのクロエからすれば恐ろしく静かな声に、汚鬼苗は赤黒いマフラーを振り回しながらいつもの口調で応える。
二人が目の前にしたのはボロボロに壊され、石柱や石の扉がただの残骸となり果てた自分達のギルドだった。
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