ウェンディの絵本

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    草臥れた繁華街の片隅で、彼女に出会った。 偶然か、必然か。   彼女も、歳をとった。 予想していた通りで、霞んだ笑顔はあの頃とは違う。 僕は少し落胆した。 心の片隅では期待していたのだろう。   ウェンディになった彼女を。   「やあ……。」 「お久し振りね。」   穏やかな声。 お互いに再会の喜びを表した。    
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