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「まずいってぇ!!こんなのばれたら捕まっちゃうよ!!」「平気だってちょっと借りるだけだから。」
宮島が制止するのも聞かず寺田が船に乗り込む。
「中学の頃思い出すなー。人様のバイクぱくって事故ったっけなぁ。」
工藤がニカッと笑って船に飛び乗る。
「ちょっとぉ力まで何してんのよぉ!!」
富海もピョンと船に飛び乗って宮島に手を差し延べる
「面白そうじゃん!行こう春香!」
文句をいいながら宮島も富海に続き船に乗る。
雨はさらに強まり海も何かに怒っているように荒れ狂っている。
寺田は何やら船室で機械をいじっている。
「隆弘ぉ!こんなに海が荒れてるのに行けっこないってぇ!」
「だ~いじょうぶ!」
「第一あんた船なんか運転できるの!?」
寺田が何かするとドルルンという低い音を立てて船のエンジンが掛かった
「実はうちのじいちゃんが漁師で何回も漁についてったことがあるんだ。」
「へぇー!!」
寺田以外の三人が同時にそう言って感心する。
「そんなにすごいことでもな…」
寺田がそう言い終わる前に船全体に大きな揺れが起こり全員がバランスを崩して倒れた。
「くそっ!!なんだよいきなり!!」
工藤が立ち上がりながら悪態を付く。
「ちょっと…この船動いてない!?」
宮島の言葉に全員がハッとして外を見る。
確かにゆっくりとだが船が進み出していた。
「本当だ!動いてるよ!寺田君!」
「オレは何もしてない!!しかもまだロープで岸につないであるはずだ!」
寺田が急いでロープを確認するもそれを見て愕然とする
「切られてる…」
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