鉄塔少女

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 小学校時分の酷い事なんて、些細なイジメくらいだろう。心がデリケートそうなコイツは、些細な事でも酷い事と言ってしまいそうだ。ここは年の功で一つアドバイスでも……     「教室での呼び名が『肉便器』」   「…………え?」   「椅子にはバ○ブが常時上向きで完備されてるし、」   「おい!」   「セクハラを秒単位で受け、学校では裸でいる時間のほうが長いわ。クラスの男子はほとんどが穴兄弟で――」   「冗談だろ……どうなってんだ、ぶどうヶ丘小学校!」   「もちろん冗談だけど」   「冗談か!」   「下ネタなのにジョーダンよ」      歳不相応な、大して面白くもないジョークを繰り出すと、コイツはまた空を眺める作業に戻ってしまう。毎回、プライベートな質問をするとこうやってはぐらかされてしまうのだ。俺が分かる事は……何も無いと言っても過言ではない。     「おい、じゃあそろそろ名前だけでも教えろよ」   「そうね。こっちが一方的に名前を呼ぶのも不公平だわ」      名前を教えた覚えはない。鉄っちゃんって勝手に言ってるだけだろうが。     「そうね。アレに、ちなんでフランちゃんとでも呼ぶが良いわ」      何にちなんだのか分からないが、コイツはどう見ても日本人だ。     「スーパーフランちゃんでも、可よ」
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