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「おばちゃん、羊皮紙三巻分頼むよ。」
「はいよ。いつものやつね。」
「・・・・それ、何読んでんの?」
「ああ、この本かい?これは・・・フフ、ある旅の少年が辿り着いた国で故郷の恋人にそっくりな娘を見つけて、違うと解っていながらも段々恋していってしまうのさ。」
「へぇ??」
「そして・・・・・・・んん・・・まぁ、後はこの本貸してやるから自分で読みな。ホラ。」
「へ?ちょ、ちょっとおばちゃん!!」
「いいじゃない、たまには読書も必要よ。あ、そうそう、主人公の男の子がアンタにそっくりなのよ。びっくりしちゃったわ。」
「いいよ!!返すよ!!」
「いーや、それ読まないと羊皮紙は売らないよ!!さぁ、どうする??」
「・・・・・はぁ、ったく・・・・じゃあ一応受け取っていくよ・・・・・」
「そう、そうこなくっちゃ!!ホラ、羊皮紙三巻。20マルクよ。」
「ああ、っと・・・・ハイ。じゃあな、おばちゃん!!」
「ああ、またおいで。読み終わったら返しに来なさいよ!!」
「分かってるよ。」
「ったく・・・・・・。」
本なんて興味ないのに。況してや、物語なんて。
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