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最初出会った時は、小さな黒猫のように見えた。
オレンジ色の窓際を好む黒い毛、輪郭の細い瞳、長く伸びた感情のアンテナ、ピンと、伸びた耳に…
優しく抱き上げるまでちょっと時間がかかった。
床に爪を立てるように、強い眼差しでこちらを伺う視線。
誰も寄せ付けようとしないそんな空気にただ、沈黙の自分。
それでも、いつの間にか寝てる自分の腕の隙間には、ちゃっかり瞳を閉じた小さく細い生きた温かい身体。
毛にくすぐったくて、笑うと怒ったように尻尾で床を叩いていたね。
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