†Destiny†

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意外にも階段を降りると一つの部屋しかなかった。 ラウル『イメージと違うな。』 ラウルの頭では、もっと複雑な構造になっている筈だった。 部屋に入ると中は沢山の書物に埋め尽されていた。 グレイ『それにしても誰も居ないね。』 ラウル『これじゃ来た意味が無いじゃん!!』 グレイ『そんな事は無いと思うけどな。』 グレイは置いてあった書物を読みあさっている。『興味深い』と言うと次の本を手に取る。 ラウル『奴が帰って来る前に、ここを一回出るぞ。』 グレイ『その必要は無いよ。本には埃が被ってるし、何より生活してる跡が無いしね。』 最後の希望が絶たれたラウルは落ち込んだ。 ラウル(戻るのは未だ先か、いつになったら戻れるんだか) ラウルがそんな事を考えていると、グレイが大きな声を出した。 グレイ『見つけた!!!』 何を?と聞くとグレイは『見つけた』と連呼しているだけだ。 ラウルは一旦落ち着かせると話しを聞いた。 グレイ『元に戻れるんだよラウル!!!元に戻れるんだ!!』 ラウルにはサッパリだった。 自分に呪いをかけた本人が居ないのに、元に戻れるなんて意味が分からなかった。
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