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ラウル『せめてエリスには挨拶でもしとくかな。』
夕日が沈んだ頃にラウルは、もしもの可能性の時の為にエリスに挨拶しにいくことにした。
--教会へと向かう途中幾度となく悩んだ。『何を話す気だ?』『どうして俺はエリスに会いに行こうとしてるんだ?』、だが不思議と会いたくないとは思わなかった。彼女に..エリスに会いたい...ただそれだけ。--ラウルは胸を引き裂く思いだった。
今ラウルの目の前には教会がある。扉を開ければ彼女に会うことが出来る。...しかしラウルは扉を開けることができなかった。
--どうして扉を開けることが出来ないのか自分でも分からなかった。会いたい筈なのに、体が動かない。
俺は不安なのか?
記憶が消える事が?
それもあるが違う。
何だこの気持ちは?
あぁ、そうか...
俺は...
エリスが好きなんだ。
だから怖いんだ...
コレで最後になるのが...
ラウルがエリスを好きになるのには時間はいらなかった。毎日を戦いに費やした日々の中で初めて味わうような温もりに優しさ。もしかしたらラウルは会ったあの日から彼女に惚れていたのかもしれない。
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