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帰ったら電話しよう。
俺と由美は同じ事を考えてたに違いない。
まだ携帯が普及してない時代だったために高校生で持っている人は少なかった。
帰り着いた頃は3時を回っていたが、なんのためらいもなく電話した。
健太の家の電話に。
プルルルッ プルルルッ
何度かコールが鳴ったあと、眠そうに健太の母さんが電話に出た。
「…はい。…」
「健太君居ますか?」
「まだ帰ってきてないみたいよ。一緒じゃなかったの?」
まだ帰ってないなんて変だ。
俺より先に帰って、俺は遠回りしたんだから。
「途中で帰ったからもう家かと思って…。」
「多分違う友達のとこじゃない?」
「わかりました。」
そう言うと電話を切った。
他の友達ねぇ。あんまりつるむようなヤツなんていないからなぁ。
「なんかあったのかな?」
由美は不安そうに俺を見ていた。
「なんかあったら警察から電話あってるだろ。」
自分も不安なくせにそうなだめた。
折り返しの電話があるまでは…
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