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人は痛みを繰り返して生きていくの??
「星浦さん、おはよ♪」
教室に入ると諒兎クンが笑顔で挨拶してくる。
「おはよ! てか、祈羅って呼んでいいよ!」
私は鞄を机の横に掛けて諒兎クンを見る。
「んじゃ、そうする♪ あッ…」
諒兎クンは教室の後ろのドアから入ってきた人を見る。
そしてその人物の元へ行き、さっき私に向けた笑顔をその人物にもする。
「帝紀、おはよ」
ポンッと肩を叩きながら挨拶をする。
「…はよ」
諒兎クンとうってかわって帝紀は小さい声で諒兎クンを見ずに挨拶を返し、自分の席へ行く。
そんな帝紀の姿を見て諒兎クンはニヤッとする。
そして私の腕を掴む。
「祈羅、行こッ!」
「どこに?!」
片腕を掴まれ諒兎クンを見上げるとにこにこしている。
そしてそのまま2人で教室を出ていく。
何だろ…
めっちゃ不安なんだけど
廊下に出るといきなり壁に押さえ付けられる。
「ちょ…」
「俺は帝紀と違ってすぐに手ェ出さないから安心して」
ってこの状態じゃ信用出来ないんですけど!!
正面にいる彼はいつもの笑顔を私に向けている。
しかし、手首を壁に押さえつけられ退かすことが出来ない。
「諒兎クン離して」
冷静に言って動揺してない素振りを見せる。
だけど、体が少し強張る。
「ねぇ、首んとこどしたの??」
「えっ?!」
ヤバい!昨日頭混乱したまま帰って寝ちゃったから気にしてなかった。
諒兎クンはニヤッと笑う。
「帝紀にキスマークつけられちゃったか♪」
「ち、違うって!」
反論するも自分でもわかるくらい顔が熱くなっていく。
「ま、俺には関係ないことだけどッ」
と言いながら手首を解放してくれた。
諒兎クンに掴まれた部分を触りながら1つの疑問を投げかける。
「諒兎クンと帝紀って友だち??」
「俺は友だちって思ってるよ」
ニコッと無邪気な顔で言う。
「そっか…」
「何でそんなこと聞くの?」
「何となく気になって…」
「ふう~ん」
ますます帝紀のことが分からなくなった。
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