妄想処女Ⅰ

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「し、失礼します」 すとんと座り、持ってきたウーロン茶を一口飲んだあと室生君の様子を伺った。 相変わらず彼は無愛想な顔をして、つまらなそうな雰囲気を出す。 眼鏡越しに見える彼の横顔は思っていたよりも綺麗で、私は思わず見とれてしまった。 だ、駄目だ。 眼鏡は前回で懲りたんだった。 放送部三嶋のことを思い出し、勢い良く頭を横にフルフルと振ると隣に座っていた室生君がクスクスと笑いだした。 「そんなに首振ると危ないんだけど?」
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