妄想処女Ⅰ

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それから学校指定のカバンを手に取り、音を立てて階段を駆け降りる。 キッチンに顔を出すと、朝食を終えた食器をカチャカチャと洗う母の姿があった。 カウンターテーブルに目を向けると、毎日持って行く赤いチェックのハンカチに包まれたお弁当箱があった。 その隣には、朝食として食べる筈だったサンドイッチが綺麗にラップに包まれて置いてある。 「行ってきます!」 急いでそれをカバンに詰めこみ、慌てて玄関の扉を開けて最寄り駅まで走った。
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