妄想処女Ⅰ

9/46
前へ
/336ページ
次へ
じゃあ、この真後ろにいる男の人は誰だろう? 新たな痴漢?! また触られるの?! 頭の中がパニックになって、これ以上何も考えられなくなる。 下をうつ向いて、ギュッと目をつむると、頭の上から優しい声が聞こえてきた。 「もう大丈夫。痴漢はいないよ。その制服祥瑛高校だよね?俺も同じ学校だから、駅に着くまでこうしててあげる」 どうやら私から痴漢を遠ざけて助けてくれたらしい。 私は無言のままコクコクと頷き、電車が止まるまでの間彼の腕の中にいた。
/336ページ

最初のコメントを投稿しよう!

50015人が本棚に入れています
本棚に追加