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「くそぅ…」
人だかりは消え、イライラしていたあたしは一人悪態をついた。
「女がくそいうんじゃねえよ」
隣でヒデ(秀秋)がペンを走らせている。
一生懸命お勉強ですかー偉いですねぇ
「だいたいあのグリーン野郎、うちに恨みでもあんのか?」
「あれはグリーン野郎のせいじゃないだろ。」
そうだけど~とうなだれれば「まぁ大丈夫さ」
と笑う。
人事だと思って…この野郎
こうして終わった2時間目
昔なんかに興味なしのあたしに誰が天下統一しようと誰が来航しようと全く関係ない。
「疲れた。」
なんて、なんもしてないあたしが吐けばヒデに
「疲れる要素ねぇだろ」
なんてつっこまれるありさま。
「愛、お疲れね」
「疲れてなかったら奇跡だね」
そのとき、ガラガラという扉が開く音と女子の悲鳴に近い歓声。
歓声の元は…
「あ、グリーン野郎…」
がくっと頭が机に落ちた。
「後藤さん」
目の前にはグリーン。
あぁ、視力がよくなりそうね。
「どしたの。」
「遊びきました。」
なんの不屈もない笑顔。
笑顔を捻り潰したいと思ったのは初めてよ、あたし。
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