始まりの白譜

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のどかな昼下がりの公園。 そこのベンチに座り、俺は一人で物思いに耽っていた。 つい一時間前まで、部屋にこもり、愛用のギターを掻き鳴らして曲を作っていた。 しかし、なぜか途中から、全くメロディーが思い浮かばない。 それでも、最初は無理矢理音を並べていたが、出来たのは、見事なまでに駄作ばかり。 なので、気分転換に散歩に出たはいいものの、気が付いたら曲の事ばかり考えている。 (…っあ~ダメだ。全然思いつかねぇ。) 眉間に皺を寄せたまま、半ば八つ当たりに、前髪を掻き上げる。
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