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今朝も朝、窓から陽が射してきて、朝が来た事を知らせてくれる。 朝か。 窓の外を見たら、一寸先も見えぬ吹雪。 それを見ただけで、妃の心は凍り付く。ぞっとしてまたベッドの中に潜り込む。 寒いのだ 寒いのだ 身が凍る 心が凍る このまま凍って 永遠の眠りにつけたなら どんなに幸せか   私の愛するものは 全て暖かい海の向こうにあるというのに 私は 凍ったこの地の塔の中に 閉じ込められ 外へ出る事が許されぬ 心は鉛のように重く 私を苦しめる ああ…翼があったなら この窓から飛び立って 私の行きたい所へ飛んで行けるのに
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