麗しの君

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麗しの君。私の恋しい人よ。世にも美しい歌声で私を酔わす。その声は、轟く雷のように畏れをいだかせ、海のように深く、恋の様に甘く、官能的で私の心を虜にしてしまった。この地で何度か、その美しい声と姿をお見かけする事もできたが、今は海を渡らねば、あの声を聴く事ができない。昼も夜も夢の中でさえ聴こえてくる、あの声。
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