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僕はずっと、恋なんかしちゃいけないと思ってた。
「ごめん。」
例年よりも寒さの厳しい12月、この時僕は高二だった。
教室では、ストーブが限界まで温度を上げられ、赤い光が熱気と共に輝いている。
廊下に一歩踏み出ると、冷えた空気が頬を叩いた。
吐息が白く濁って、空気と交わる。
強い風に吹かれ、がたがたと揺れる窓ガラスごしに空を仰いだ。
寒さで身体が震える。
自分へのこの仕打ちは、また一人、女の子を泣かせてしまった事への罰だ。
(好きだって言われても困るよ。)
僕は誰とも恋をする気はないから。
今までも、これからも。
前に、飽きたら捨てれば良いと言って来た人が居たけど、そんなのは無理なんだ。
それでも振った相手を想って泣いたのは、あれが初めてだった。
その人、内田早紀(ウチダサキ)は、もうすぐ卒業する。
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