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でも、悪い気はしなかった。
勇先生が入り、土方が引戸を抑えてくれている。
「どうぞー。」
山南に笑顔で促され、殺気も何も感じないと思いつつ、信用できずに柄を握り直す。
こんな性格、自分でも嫌気がさしてしまう。
でも、もう癖みたいなものだ。簡単に治るものじゃない。
微塵の隙もない歩き方で中へと入る。
中は外観と違い、障子は綺麗に張ってあり、襖は一枚も破れていない。床は雑巾掛けしてあって埃もない。
小綺麗とした空間だった。
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