いざ
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肩に掛かっていた内の一つをおろし、中から三味線を取り出す。 ベン―ベベン―― その指から紡ぎだされる音は、先の読めない脈絡をつけながら、それでいてとても美しく、橋を渡る人々は途中で振り返り足を止める。 忙しなく流れて行く町の中で、その一つの空間だけは時が遅くなってしまったような、心地よい感じ。
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