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時が過ぎるのは早く、
雷龍組が大阪から東京に来て1年が経つと同時に、
高校生になってからの初めの1年間を無事終えた。
わたしが尊敬する雷龍組2代目・雷龍 哲(ライリュウ テツ)は、わたしの祖父であり一昨年他界した。
そのお爺ちゃんが、口癖のように言っていた言葉は──────
父「今日から、お前は男子校に通うことになったからな。そこんとこよろしくやで」
‘幸あれば不幸もある’
なにか嫌なことがあったら、すぐこの言葉で片づけてしまう祖父を、少しばかり恨んだこともあった。
だけど…
今まで何不自由なく幸せに生きてきた自分を、次は恨んでしまうことになるなんて、正直思ってもみなかったんだ。
幸せしか体験していないわたしからしてみれば、これから始まる男子校生活は、大きな不幸の始まりなのかもしれない……―――。
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