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澪「新…?」
病室は個室で、ベッドの上には1人の人影といつもウチと一緒におる男子たちがその周りで暗い顔をしとった。
男子「澪さん…」
なんでそんな悲しそうな顔してんの?
澪「新…は………?」
どないしよ…。
泣きそうや…。
男子「まだ…意識不明で……このまま意識が戻らんかったら、し、死ぬかもって」
死?
‘別れ’っていうんは、どうやっても幸せにはならん。
また会えるから…
だから、今は我慢できる。
でも…今ウチらに突きつけられてる‘別れ’は、そんな簡単に片付けられるもんやなかった。
笑ったり
怒ったり
喧嘩したり…
これから、いい思い出どころか、嫌な思い出すらできんのやろ?
当たり前に隣におったアイツが、消えていく…。
男子「澪さん…」
そのとき、ウチのポケットの中にある携帯がブルルっと震えた。
澪「もし…もし?」
《澪か!?俺やっ!!》
澪「…お父さん?」
電話の向こうから聞こえる声は、ものすんごい焦ってて、あの陽気なお父さんの声とは思われへんかった。
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