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新をかばってお爺ちゃんが怪我するどころか、死んでしもた。
守ってもろた新も、今のところお爺ちゃんのあとを追う確率のほうが高い。
─ウチは、同時に2人の人間を失うの?
お父さんは下を向き、ただ床とにらめっこしとって、お母さんはハンカチで目を押さえながら、ひたすら涙を拭いとった。
ウチは…いつの間にか病室を出て、廊下を全力で走っとった。
たどり着いたのは新の病室。
さっきは慌てて気付かんかったけど、病室のドアってなんて重いんやろ。
澪「っ!?」
ベッドのほうに目をやると、先生と看護士、新のお父さんとお母さんらしき人がおった。
澪「あの…ココにおった男子たちは?」
新父「疲れてそうだったから帰ってもらったよ。君は?」
澪「はじめまして、雷龍 澪です。新君とは、クラスメートの馴染みで…」
新母「わたしたちは、新の親です。先ほど聞きました。新をかばって、あなたのお爺様が………」
新のお母さんは、今にも大泣きしそうな勢いで頬にたくさんの涙をつたらせていた。
ウチだって泣きたい。
わんわんわめいて、すべてを忘れてしまいたい。
やけど、涙を流すことができへん…。
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