小金井 司

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司「ハァ‥‥ハァ‥‥ハァ‥‥」 試合に出してもらったことのない司は一度も練習を怠ることはなかった。 司の家から徒歩で1分のこの大きなサッカーグランド。 司1人が練習するには大きすぎるコートだ。 中学時代にプレースタイルを変えて試合に出ることは容易かった。 しかしそれでもプレースタイルを変えずにドリブルサッカーを貫くという意思があったからこそ、今もまだサッカーをやめられずにいるのだろう。 司「クソ‥‥‥‥」 思わず言葉にでちまった。 やっぱり俺ぁ、このデカイフィールドを11人であいつと駆け抜けてぇよ‥‥‥。 司の涙が、乾ききったグランドの土の色を変えた。
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