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こぽこぽとお茶を入れ、ソファーの前に有る机にそれを置いた。そして、向かいの床へクッションを置いてから座った。
そんな瑶に、世都はありがとう、と言った。
「瑶さん。悠希は?」
その言葉を聞いた瑶は、更に眉をひそめた。
「世都、悠希の居場所は教えないよ。教えたら行くんでしょ?」
「勿論。悠希、何か仕事を抱えていた。けど、私がこんな状態だから、と、それを話さなかった」
瑶は世都の話を熱心に聞いていた。
「世都の言っている事は、言いたい事は解るよ。でも、今の世都には行かせられない」
「どうして?」
言った世都に、瑶は身を乗り出した。それから瑶は、制するかの様に世都、と名前を呼んだ。
「使役が遣えないない位ダメージの有るお前達に何が出来る? まして、珪翔はこちらに来れず、恢濫は棲伽(セイカ)にすら戻れない。だから世都の部屋に居るのだろう?」
その話を、世都は痛そうな顔をし乍(ナガラ)、黙って聞いた。
「言う迄も無く、世都と使役は一つ。誰かが調子を崩せば三人が調子を崩す。今は間違えなく、珪翔の怪我がお前達に降り掛かっているんだろう?」
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