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――数分後
トン!トン!
社長室のドアが鳴った。
ガチャ!
「失礼します、会いたいと言われてる方を連れてきました」
ドアを開けて相沢と男が入ってきた。
「初めまして、日野と言います」
黒のコートに黒の帽子を被った男が美奈子に軽くお辞儀をする。
『……あやしいわね』
確かに日野と名乗った男は怪しそうな雰囲気を出している。
黒の手袋に黒の鞄、全身が黒で覆われてる感じで気味が悪かった。
「で、用件は何?」
「……すいません、こちらの男性の方には出て行ってもらっていいですか?」
日野は振り返り、一度相沢の方を見て言った。
「他の方に聴かれますと、サービスに影響が出ますので……」
「えっ、二人きりってことですか?……社長大丈夫ですか?」
相沢は少し驚いた様子で、日野に対して不信感を抱いている感じだった。
「二人じゃなきゃダメなの?」
「はい、話はすぐに終わりますので」
「わかったわ、あなたはちょっと席を外してちょうだい」
「いいんですか?」
相沢はさらに驚いてるようだった。
「ええ、何かあればすぐに呼ぶわ」
「はは、私はそんなに怪しい者ではないですよ、安心して下さい」
『あやしいわよ!無理に会わせろと言って、さらに二人になりたいって言ってるのよ』
「わかりました」
そう言って相沢は部屋を出ていった。
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