『出逢い』

3/9
841人が本棚に入れています
本棚に追加
/143ページ
――数分後 トン!トン! 社長室のドアが鳴った。 ガチャ! 「失礼します、会いたいと言われてる方を連れてきました」 ドアを開けて相沢と男が入ってきた。 「初めまして、日野と言います」 黒のコートに黒の帽子を被った男が美奈子に軽くお辞儀をする。 『……あやしいわね』 確かに日野と名乗った男は怪しそうな雰囲気を出している。 黒の手袋に黒の鞄、全身が黒で覆われてる感じで気味が悪かった。 「で、用件は何?」 「……すいません、こちらの男性の方には出て行ってもらっていいですか?」 日野は振り返り、一度相沢の方を見て言った。 「他の方に聴かれますと、サービスに影響が出ますので……」 「えっ、二人きりってことですか?……社長大丈夫ですか?」 相沢は少し驚いた様子で、日野に対して不信感を抱いている感じだった。 「二人じゃなきゃダメなの?」 「はい、話はすぐに終わりますので」 「わかったわ、あなたはちょっと席を外してちょうだい」 「いいんですか?」 相沢はさらに驚いてるようだった。 「ええ、何かあればすぐに呼ぶわ」 「はは、私はそんなに怪しい者ではないですよ、安心して下さい」 『あやしいわよ!無理に会わせろと言って、さらに二人になりたいって言ってるのよ』 「わかりました」 そう言って相沢は部屋を出ていった。
/143ページ

最初のコメントを投稿しよう!