―3月7日―

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(ハァ…どうするかな…) 何度目かの溜息をついた時だった。 目の前を羽ヶ崎学園の制服を着た少女が通りすぎた。 「…!!っ…藤田さん!」 少女は突然呼ばれたのでビックリして振り向いた。 「…わ…若サマ!?」 「や。こんな所で何してるんですか?」 「…えっと…帰る途中です」 「本当に?君の家反対方向じゃない?」 「うっ…」 「藤田さん…?」 「…本当はお母さんに買い物頼まれてて商店街に行く所です…ごめんなさい!」 「大丈夫。先生今日は校外指導じゃありませんから」 若王子がニッコリ笑って言うと椿はホッと胸を撫で下ろした。
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