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少し歩いていると、アクセサリーショップの前で椿が立ち止まった。
「気になりますか?」
「えっ…あの…少し…」
「うーん…見たい気持ちは解りますけど…商店街に行くんでしょう?」
「はい」
「…行きましょう。さっきも言ったけど急いだ方がいい」
「…はい」
椿は少し肩を落とした。
それを見て若王子が尋ねる。
「藤田さんはアクセサリーとか好きなんですか?」
「はい。好きです」
「そう…指輪とかネックレスとか?」
「指輪よりネックレスの方が好きです。ネックレスだといつでもしていられるから…」
「なるほど…じゃあ…猫は好きですか?」
「えっ…猫ですか?」
「はい」
アクセサリーの話をしていたのに急に違う話題をふられて少し戸惑いながら答える。
「…好きですけど…」
「そう…先生も猫好きです」
「そ…そうなんですか…」
どうしてそんな事を聞いたか聞きたい気もするが、嬉しそうにニコニコしている若王子を見ていたら、どうでも良い気分になった。
(ま…いいや)
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