二話目

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こうも上手く人と接することが出来ない自分ではあるが、いくら性格でも昔からこんなだった訳ではない。 それがしっかりと確立する前、小学生まで遡ってしまうが、その頃はまだ普通に誰とでも話せていたのだ。 それこそ、好きだった女の子に勢い余って告白までしてしまうぐらいに。 しかし。 今も含め、人格が固まり始めたあの時から、私の性格は一変した。 他から見てあからさまな変化で、自分でも十分過ぎるくらいに自覚出来る程だ。 クラスメイトに担任の先生、更に何故か校長までもが、私を心配してクラスへ訪ねてきてくれた。 平々凡々、十人並みな生徒であった私からしてみれば、色々と戸惑う場面ではあったかもしれない。 けれど前述した通り、その時は既に性格がある意味堅固とした後だったので、動揺どころか顔を一瞥する程度の反応しかしなかった。 結局周りの判断により通院することになった私だが、ここまで持ち直したのは診てくれた医者が良かったおかげか。 少々……いや、かなり乱暴だった新米医師ではあったものの、それでも恩人であることには変わりはない。 このお礼は、しっかりとさせて貰うつもりだ。
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