一話目

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土曜の夕方、指定された集合場所へと向かった。 既に数人が集まっており、話しをしているようだ。 向こうも自分に気付いたみたいで、「よう」と片手を上げて挨拶をしてきてくれた。自分も同様に手を上げ返し応える。 来ているのは、男女合わせて20人程。 久方ぶりに見る彼ら達は、いかにも今時の若者といった身なりだった。 自分もそこそこな格好をしてきたつもりだが、彼らを見ると自分が貧相な格好に思え、とても居たたまれなく思えた。 「おぉ、久しぶりだな」 「地元なのになかなか会わないねー」 「なんか結構変わったんじゃね?」 私の気持ちとは裏腹に、元クラスメイト達は順に話し掛けてきた。 以前は普通に接することが出来た筈なのに、今は何故かそれが出来ず、愛想笑いで返す。 元々人と接するのが得意ではないが、ここ最近家族以外対することがなかったせいか、拍車が掛かっているようだ。 そう自己分析をし、原因・理由が分かっても治しようがないのは、やはり性格だからか。
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