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―出逢い―
町を出て、数日が過ぎようとしていた。
もう何日も人に会ってない。
(そろそろ何処かの町が見えてもいいのに…。)
「今日はこの辺で休むか…。」
僕は寝るのに丁度いい木を見つけて、僕はようやく落ち着いた。
旅に出てから判ったこと。
町を出ると想像以上に、危険だったという事。
昼間は警戒してるが、魔物達は夜になると活発に動くことを…。
町では、魔物なんてめったに見なかったけど…。
「まだまだ知らない事がいっぱいあるんだろうな…」
僕は木の上で食事をすると、いつの間にか眠りについていた。
ズキン――…!
「!!」
突然の痛みに僕は、動けなくなる。
(お腹が…痛い――…っ!)
「っ…―!」
ふと横を見ると、さっき食べた木の実に集まった虫達が死んでいた。
(…僕、このままここで死んじゃうのかな…。まだ何もしてないのに―…。)
「…フィル…もう一度…会いたかったな…。」
そう思いながら、痛さのあまり僕は意識が朦朧とし始めていた。
(フィル―――…。)
「―ぃ…―い―……。」
(何だろう…。温かい―…。この感じ…僕知ってる…。)
薄れゆく意識の中で、僕は温かい何かに包まれて行くのを感じた。
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